ガソリンスタンドには自動車を自動洗浄する洗車機がありますが、飛行機に自動洗浄する機械はあるのでしょか。
あれだけ巨大な機体を自動で洗浄する機械があるとは思えませんが、実は成田空港に存在するという話があるのです。
実際のところはどうなのか、旅行やビジネスでお世話になっている成田空港のあまり知られていない部分を知ってみましょう。
成田空港に飛行機を洗う自動洗浄機があった?
成田空港には世界で唯一飛行機を自動洗浄する機械が開発・製造されたそうです。
通常の旅客機の洗浄は手洗いで行われるものなのですが、小型機だけでなく、ジャンボ機も手洗いで行われていました。
ジャンボ機の巨大なボディは20人で手分けしても1機の洗浄を終わらせるだけでも4時間はかかっていたそうです。
そこで、成田空港の一角に設置されたのが間口約90メートル、高さ約26メートル、奥行約100メートルの巨大なマシンです。
まるで巨大なジャングルジムのようなマシンとなっていますよ。
このマシンはJALと川崎重工業が共同で総工費20億円と10年の歳月を費やして建設され、このマシンが稼働することでジャンボ機1機を5人グループ、100分程度で洗浄を終えることができるようになったそうです。
JALはジャンボ王国と呼ばれ、世界でもっとも747を保有していると言われていました。
そんなJALだからこそ必要としたマシンだったのですね。
しかし、JALの747が退役した後はこの自動洗浄機は解体され現在ではこのマシンは存在していないそうです。
ですので、今は手洗いで作業員がゴンドラや足場から長いモップを使って洗浄しているそうですよ。
飛行機を手作業で洗う理由
ジャンボ機に限らず小型機の自動洗浄機があってもいいような気がしますが、現在のところすべての飛行機が手作業で洗浄されています。
なぜ手作業にこだわっているのでしょうか。
その理由はいくつかあるそうなのですが、単純に手作業の方が効率がいいとされているからだそうです。
ここで一つ疑問が浮かびますが、効率の良さを求めて飛行機専用洗浄マシンを製造したのに、なぜ手作業の方が効率がいいのでしょうか。
その理由はハイテク装置ならではの障害が起きてしまうからです。
夏の時期は炎天下で太陽の熱にさらされますが、熱というのは金属を膨張させます。飛行機の機体は金属でできていますので、空の上を飛ぶ時など機体の上側は直射日光の影響で膨張してしまうという事態が起きてしまいます。
そうして膨張した上部と比べて、日陰になる機体の下部は膨張することはないので、機体のサイズが毎回変わってしまうのだそうですよ。
ですので、一度設定したプログラムで洗浄しても洗浄できていないところが出てきてしまうのだそうです。
その度に洗浄するためのプログラムをセットしなおさなければならないために、再セッティングの時間が必要になります。
ハイテク機械であるためにこの調整作業は、手間のかかる作業でもあり、結局は効率があまりよくないと考えられるようになったそうですね。
新しい装置を作っても、それを稼働させることで新たな問題が出てきてしまうことはその状況にならなければわからないことですし、やはりすべてが完璧というものを作ろうとするのは航空業界のような精密機械を扱っている仕事でも難しいものなのですね。
※一般的に出回っている情報を元に記事を作成しているので、誤りがあるかもしれません。あらかじめご了承ください。
まとめ
成田空港にはかつてジャンボ機を自動洗浄するマシンが存在していたそうです。
しかし、時代の流れとともに需要が変わっていき、またハイテクならではの問題も起きてしまい、もともとの手作業に戻っているようになっているようですよ。
それにしても、あの大きな機体を手作業できれいにしていると考えると大変な労力ですよね。
飛行機がいかにすごい乗り物なのかを改めて感じさせてくれますね。